橋本/ブラジル行く上沼さんもすごいし、いいだろう!って行かせる親もすごいよなー!
一同/すごい!
上沼/…18歳から20歳のカテゴリーのチームがあって、そこで2年いました。
黒田/言葉は…ポルトガル語とか?
上沼/そうだね。だいたい日常会話くらいなら(大丈夫)。今でも友達から電話が掛かってくるんだよ。Facebookとか今あるじゃん。掛けてくるんだよ、とんでもない時間に!(笑)
一同/時差〜(笑)
橋本/ブラジルは遠いわ、30何時間かかるんじゃないの?
上沼/ブラジルまでは1日半かかりました。途中、ロサンゼルスで給油してからブラジルへ…若かったから良かったですねー。
黒田/それって稼げるんですか? 一応、給料とか貰えるんですか?
上沼/もらえない。プロ契約すれば貰える。まあ、学校のような感じだね。お金はこっちが払って、それで所属するチームは振り分けられる。
黒田/じゃ、それでたまたま強いチーム(*上沼さんは強豪チームに所属していた)に振り分けられたと。
上沼/最初はそう。でも移籍したいってことなら移籍していく。各国から集まっているけど日本人も多いチームだったんだ。
黒田/チームメイトの仲間でプロになった人はいるんですか?
上沼/あー、仲間内ではいないね。プロになったのは。
宮下/それは厳しい世界なんですね。
塚本/やっぱりブラジル人は上手いんですか?
上沼/上手い。もう別格。
岡本/それは何なんですかね?
上沼/それは文化の違いで、ハングリーさが違う。食べていくために。もうそれだ!と感じました。本当に生活がかかっているんで、彼らは。僕と同じ世代の奴らでも、入ってきて3日でクビ切られちゃったりとか。あるんで、必死。
一同/3日…
上沼/せっかく仲良くなっても、もう1、2週間で次のチームに行くんだ、プロになるんだ!っていう、決意が違う。
黒田/出て行ったらもうそのチームには戻れない?
上沼/そうそう。もう、そういう人間との差っていうのは無理でしたね。一生懸命自分を…こうハングリーさを出すためにやるんですけど。日本人って、スパイクがどうのとか…、自分も向こうのスパイク履いたり、そんなことするんですけど、もう根本が違います。
黒田/でも練習量は同じなんですか?
上沼/それは一緒にやるから…同じ。
岡本/フィジカルな違いっていうのは?
上沼/劇的に違います。
一同/えー!
宮下/向こうの、彼らは日本から来てる人に「お前らいいよな、日本から来て…」みたいなのは?
上沼/言われましたし、やられましたね。喧嘩も売られちゃうし。
…で、20歳までっていうのがリミットで、それまでにプロになることを目指すんです。その約束でしたし。
宮下/2年で結果を出せと。それで帰り際、帰国して?
上沼/はい、帰国してヴェルディ川崎(*93年J1初代チャンピオンチーム)のプロテストを受けました。