花の便りが山の向こうから届き始めました。
暖かな日差しの中に、春の足音が聞こえる今日の佳き日に、飯田風越高等学校を卒業される皆さん、ご卒業おめでとうございます。
保護者の皆様に於かれましても、お子様が立派に成長され、今日の日を迎えられたことを、心よりお祝い申し上げます。
皆さんが本校に入学された年は、新型コロナウイルスと言う今まで誰もが経験したことのない、目に見えない敵が世界中に蔓延し、入学受験に始まり、3年間の高校生活も常にマスク生活を余儀なくされ、コロナと向き合う毎日だったと思います。
しかし、思い出に残る出来事もございました。2年生の時は本校が創立120周年の記念すべき年にあたり、学校・PTAの皆さんと一緒にお祝いすることが出来ました。この節目の年に巡り合えたこと、また、記念式典を経験できたことは、一生の思い出に残ることと思います。
昨年4月から、成人年齢が18歳に引き下げられました。目まぐるしい時代の変化の中で、4月からそれぞれの目標に向かって、新たなスタートを切られる皆さんは、大人への第一歩を踏み出すわけです。高校生までは保護者の皆様や先生方に見守っていただき、学校という安全なかごの中で、ある程度敷かれたレールの上を歩んできました。しかし、これからはどの道を選ぶにしても、人生の選択は多くの人の話を聞く中で自分で考え、自分で決断しなければなりません。そして、自分の進むべき道が決まったら、その目標に向かって恐れず、ひるまず、笑顔でスタートしてください。自分にしかできない得意なことや好きなことを見つけて、夢に向かってしっかり羽ばたいていってください。
また、途中で困難にぶつかり、行き詰ってしまうこともあるでしょう。そんな時は、自分の原点である故郷飯田を、一緒に学んだ仲間を、3年間過ごした母校を思い出してください。学生時代の友人ほど本音で語り合える相手はおりません。風越高校の同窓生としての自信と誇りをもって、前向きにチャレンジしていってくださることを願っております。
保護者の皆様には、どうぞこれからもお子様を見守ってあげてください。今度は人生の先輩として、皆さまのご助言を必要とするときかと存じます。
最後になりましたが、3年間ご指導にあたられた校長先生をはじめ、先生方に厚くお礼とお祝いを申し上げます。
卒業生の皆様に心からの祝福を送り、私の挨拶とさせていただきます。ご卒業おめでとうございます。
令和5年3月2日
飯田風越高等学校 同窓会長 知久 紀子