つなぐ絆の記録(東京支部)

 コロナ禍の自粛で2020年度総会の中止で、同窓生の再開の楽しみも制限され、情報がない中、HPを通じて、記念すべき90周年と2年間の東京支部の同窓生の絆をまとめてみました。

 2020年はコロナ禍で、実行委員会が熱心に計画した総会等は話し合いの結果中止、2021年は35回生に引き継ぎ…となりました。コロナが終息し、先輩たちからの、絆が生かされ、今後の総会での再会を願うばかりです。

 東京支部会長  平栗 彰子

東京支部役員会・広報 作成 2021.3

リレートーク “大根坂コース” Vol.1

『なぜ、山に登るのか』

橋本 義哉(共学一期生[風越33回生]・鼎支部)

 卒業から40余年、現在の「私」がある根源、我が家のルーツとも言える在学3年間でした。

 夫婦で親子で兄弟で家族4人が同窓生、PTAや同窓会にも携わり、今も母校と共にあります。

 入学式から一週間、クラブ訪問で尋ねたのは「山岳部」、土曜の午後の一室に10名ほどの先輩方が、初の男子部員となった私を歓迎してくれました。何故にこのクラブを選んだのか? 新しい自分を探そうとしていたあの時、その選択は人生に大きな影響を及ぼした一瞬でした。

 入部から2週間が経ったある日、登山用品の老舗「アルス」に連れて行かれ、靴やユニフォームなどを購入。その頃には男子一人で心細かった私の誘いに快諾してくれた木下和人君が入部、いよいよ後戻りは出来なくなりました。

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リレートーク “姫百合コース” Vol.1

『タイサンボクの花』

寺田 みの里
(昭和35年4月~38年3月在籍・伊賀良支部)

校舎

 夏の初め、御影石の校門を入ると正面校舎の前に緑濃い葉の大きなタイサンボクの樹には、柔らかい香りを漂わせて白い花が咲いていました。防火貯水所を兼ねたプール(水はいつも濁ってプールの機能はありませんでしたが)、そのほとりに菩提樹の木があり古ぼけたベンチが1つ置いてあり、茂った葉影は憩いの場所でもありました。

※ Fの軌跡「旧校舎から新校舎へ(Gallery)」より

 左右に古めかしい木造校舎、階段はすり減って波打ち手すりは長年の女学生の手が触れピカピカでした。薄暗い校長室と事務室のある校舎の廊下は創立以来の石畳、とても風情がありました。トイレ棟の南側には、書道の土屋先生がいつも手入れをされていた黄色のバラが色鮮やかに咲いていました。

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