
飯田風越高等学校
校長 下井 一志
本日は、歴史ある飯田風越高校同窓会の総会がこのように盛大に開催されますこと、誠におめでとうございます。このような場に、私を含め教頭、事務長など学校関係者をお招きいただきありがとうございます。
私はこの4月に校長として赴任しました下井一志と申します。出身は飯田市上郷です。祖母も母も風越高校を卒業いたしました。祖母は大正9年生まれで、昭和12に当時の飯田市立高等女学校を卒業しました。当時の市立の卒業生は50名でした。母は昭和16年生まれで、昭和34年に県立飯田風越高校を卒業しています。当時は1学年9クラスで1学年の生徒数も400人を超え定時制も2クラスありました。私の弟も風越高校を卒業しておりまして、今は根羽村で教育関係の仕事をしております。私自身も平成19年から24年まで6年間風越高校に勤務いたしました。
同窓会の皆さまには、日頃より飯田風越高校を物心両面で支えていたただき感謝申しあげます。毎年、生徒会や部活動など生徒の自主活動へ、多額のご支援を頂いております。
昨年度は、国際教養科のオーストラリア研修で高騰した旅費の一部を補助していただき、おかげさまで多くの生徒が参加することができました。またカンボジア支援活動では、生徒たちが国際協力とともに貴重な学びの機会もいただいています。
近年は、探究活動で、生徒たちが校外に出ていくことも増えてきております。昨年度取り組んだ丘の上結いスクエアでの飯田市公民館「むとすプラザ」の本校生企画のイベント、お菓子づくり、理科実験、ヨガ体験、バーバリウムづくり、音楽祭などでもたいへんお力をいただきましたが、その支援者の中にも本校の同窓生がいらっしゃいました。
このように、生徒たちは、地域の方々から多くのあたたかい援助をいただいております。これも同窓生の皆さまが3万人を越え、広く経済界、行政、教育、文化芸術、福祉など、飯田下伊那を中心として地域を支えていただいているおかげと思っております。
風越高校の近況ですが、この4月6日に令和5年度入学式を挙行しました。同窓会からもご列席いただき、知久会長さまからはたいへん温かいご祝辞をいただきました。新入生は普通科166名、国際教養科40名で、定員200名のところ206名を迎えました。生徒数はかつての1学年9クラスから随分減ってきておりますが、今年は全校生徒601名で、それでも生徒たちは、今も昔と変わりなく、明るくのびのびと、学業やクラブ活動、生徒会活動にはりきって取り組んでおります。
昨年度は吹奏楽部が県大会で金賞を受賞し、東海大会に出場しました。その他のクラブも活発に活動しておりますし、個人でもスノーボードで2年生徒の活躍や、ダンスチームに所属し他校の生徒とともに、この夏アメリカで開催される世界大会に出場する3年生ももいます。
放課後や週末に校内外を歩いて回りますと、グランドではソフトボールやサッカー部、テニス部の声が聞こえ、体育館ではバレーボール部やバスケットボール部のボールの音がこだましています。校舎内では、演劇部、生物、書道、華道、吹奏楽部などが、顧問の先生と和気あいあいと作品づくりに取り組んでいます。礼法室では茶道部が、弓道場では弓道部が活発に活動しています。また、朝や放課後に図書館で勉強に打ち込む生徒たちもいます。先月は、高校近くの用水路に落ちてしまったお年寄りを救助して、飯田消防所長さんから表彰された生徒がいました。これらは、本日の資料「風越ニュース」で紹介させていただいております。
本校は、令和2年度から長野県教育委員会の未来の学校モデル校「国際的な教育カリキュラムを研究する学校」(※)に指定され、これまでのいわゆる知識注入型の教育から、課題解決力、他者と共同する力、思考力や判断力、主体的に学びに取り組む姿勢など、これからの予測困難な社会で、力強く生きていくことのできる資質・能力を育成する学びへの転換を図っています。これは、これまで風越高校で受け継がれてきた質実勤勉・自由闊達の伝統に通じるものであり、のびのびと自由に楽しく、そしてときには厳しく、学業やクラブ活動に打ち込む本校の生徒たちが、さらに成長し飛躍する助けになると信じております。
同窓生のみなさんは、行政、教育、福祉、文化芸術など地域を支えているばかりでなく、広く県内外、国内、また海外で活躍されている方々も多く、私達の誇りです。風越高校は、一昨年創立120週年を祝い、これから新たなステージへと入りますが、同窓生の皆様からも風越高校を誇りに思っていただけるように、生徒共々励んで参りたいと思います。
同窓会のホームページは大変充実しておりますが、今後は、生徒たちの活躍の様子も取り上げていただけるよう発信にも力を入れていきます。ぜひ生徒たちの様子に注目していただき、引き続き風越高校にご支援とご鞭撻お願いいたしまして、祝辞とさせていただきます。
本日は令和5年度同窓会定期総会の開催、まことにおめでとうございます。
(※)「未来の学校」事業(種別:国際的な教育プログラムを研究する高校)