令和6年度 探究学習発表会に出席して

 飯田風越高校2年生による「令和6年度 探究学習発表会」が3月7日(金)に飯田文化会館大ホールにて行われ、飯田市教育委員会の方々はじめご来賓の皆様、同窓会からも会長他2名が出席し、生徒さんが1年をかけて取り組んできたバラエティに富んだ様々なテーマの発表を楽しく、そして興味深く聞かせていただきました。

 2年生全員が自分の身の回りでの興味をもったことや疑問に感じたことなどを、個人もしくはグループで課題として探求し、昨年10月に探求中間報告会、そして今年1月に分野別発表会が行われ、学年全部で68もあったテーマのうちから選抜された10のテーマが発表されました。

 課題についての検証、取材や情報収集、そして創意工夫された発表の仕方(寸劇仕立て)など、時間をかけて練りに練った内容に引き込まれ、有意義な時間を過ごさせていただきました。

発表テーマ

「結いスクエアのより良い利用とは?」

「飯田のフードロスについて」

「BGMが与える効果」

「日々の行動と運との関係性」

「忙しい朝でもバランスよく簡単に食べられる朝食を考える」

「キリスト教は日本の生活にはあまり根ざしていないが、キリスト教系の教育機関は仏教や神道などよりも多い。それはなぜか。」

「核兵器の存在意義について」

「MONOの中で一番優れた消しゴムは何か」

「人種差別とスポーツの関係」

10「色と感情の関係性」

 以上の10テーマの発表でしたが、見てもわかるとおり消しゴム、朝食などの身近なものから核兵器、人種差別までと多岐にわたるもので、当日配布された全生徒のテーマが書かれている冊子を見ても、身の回りの生活のなかでの気付きから地域社会、そしてその先の世界へと学生200人の若者の目が捉えた新鮮な感覚に、自分の生活の中にはない驚きを受けました。

 結いスクエアの利用状況から「配慮」という観点での啓発、市内の1店舗のスーパーのフードロスが年間22トンもあること、人間の感情がBGMや色彩により変化すること、「運」はもしかすると作れるかもしれない?という僅かな期待、真似して作ってみたい朝食、ミッションスクールと女子校設立の関係性、やっぱ消しゴムはMONOが一番か、そして忘れてはいけない核兵器や人種差別の無い世界などなど、私個人では知り得なかった数多くの情報をいただきました。

 特に感心したのは、ただ単にネットからの情報を拾い集めるだけでなく、「人」に接して「声」を集め、そこから考察までに至る過程でした。

 アンケートのとり方がSNSを駆使するなど時代を感じましたが、仲間と知恵を絞り成果へと導いた「時間」は姫百合世代の昭和の言い方ではありますが、達成感のある体験として血となり肉となり、社会へ出てからの対人間力が高まるのではと推測いたしました。

 余談ではありますが、個人的には風水は「運」に何ら関係ないと実証してくれ、目からウロコの儲け話でした。はい、掃除に励みたいと思います。ただ運の尺度を立証するのがゲームの成功確率で、そこはテストの問題が前の晩にやったのが出るかどうかじゃないのかいッと突っ込みたくはなりましたが。

 最後になりますが、この素晴らしい発表会運営に携わっていただいた実行委員会の生徒の皆様とご指導くださった先生方にお礼申し上げます。

(副会長/佐藤まゆみ)

下井学校長よりコメントをいただきましたので、以下に掲載いたします。

探究学習発表会

 3月7日(金)飯田文化会館で探究学習発表会を開催しました。
 
 2年生が1月の分野別発表会を経て、今回は各分野から選ばれた代表10組が、さらに内容をブラッシュアップして発表しました。
 
 卒業した3年生を除く1,2年生全員が、リラックスした雰囲気の中、約2時間発表をじっくり聴いて仲間の取組にエールを送るとともに、様々に考えを巡らせ、今後の探究のヒントも得ることができました。
 
 ご覧いただいた、本校同窓会の役員の皆様、飯田市教育委員会及び飯田市公民館の方々、飯田市学輪IIDAの担当者さま、そして飯田信用金庫の地域サポート部と若手経営者の会の皆様、最後に講評をいただいた飯田市ムトスぷらさ創発コーディネートマネージャーの桑原様、ありがとうございました。
 
(学校長/下井一志)