音楽堂(※2:昭和26年10月新築の階段教室)には昭和4年に購入されたベヒシュタインが誇らしげに置かれました。
ベヒシュタインは、スタンウェイとともに、古今東西を問わず、世界の最高級品とされているドイツ製ピアノです。
当時とすれば家が2~3軒建つほどの高価なピアノで、その購入には同窓会、在校生保護者からの寄附金によって5年の歳月をかけています。
●創立百周年時のベヒシュタイン/修理調律が済み、とても昭和4年購入には見えない。
●ベヒシュタインの文字が輝く
創立百周年事業の余剰金によって修復され往事の風格と音色がよみがえりました。
同窓会報より(平成14年10月1日発行)
『ベヒシュタインピアノ』
同窓会の皆様には、常々母校愛に満ちたご支援とご協力を賜っておりますことに心から感謝申し上げます。
また、創立百周年記念事業に際しましては、その後の剰余金の使途に関して、学校側からの教育環境整備の要望に温かなご理解をお示しくださいましたことに厚く御礼申し上げます。
お蔭様で、①校内ラン事業の補充、②トイレの補修、③大体育館ギャラリーの床貼り工事、④ベヒシュタインピアノの修理と調律を実現することができました。
中でも、ベヒシュタインピアノについては少なからぬ感慨を込めさせていただきました。
このピアノは、昭和三年度の卒業生から七年度の入学生までが卒業時あるいは入学時に一人一円の寄付をし、同窓会から五百円の補助を仰いで、昭和四年に二千五百五十円で購入したものです。
当時では家が買えるほどの高価なものでした。それだけに、このピアノには当時の生徒達の「高い文化を希求する」高邁な精神と矜持が込められています。
そして、それは以後何年にもわたって、風越生の魂を象徴するものとして、校歌とともに多くの同窓生に愛されてきたものでした。
歳月を経て傷みも激しくなり、いつの頃からか音楽室の一角に据えられたままになっていたこのベヒシュタインピアノを修理調律し、飾り物としてではなく授業で使えるようにするならば、往時の同窓生の精神を今に蘇らせ、今後の新しい百年を担う生徒達に長く語り伝えていくことができるであろうし、全ての同窓生の内に秘められている風越魂が営々と引き継がれていく縁(よすが)ともなるに違いないと思うのです。
そうすることで、愛着ある校歌二番を失ってしまうことを認めてくださった同窓会の皆様へのせめてもの恩返しになってくれるならばと心から願っている次第です。
引用元:飯田風越高校HP
下記の写真は100周年記念館に置かれている現在のべヒシュタインピアノです(令和6年7月17日撮影)